高知県倫理法人会相談役 下野政城
今日まで高齢者支援事業を続けられ、後任者へと無事に承継できたのも、倫理法人会で相談できる方々に恵まれたお蔭だと回顧しています。平成23年に入会した当時は、毎朝、高齢者向け宅配弁当の惣菜製造の現場に張り付いていて、ほとんど経営者モーニングセミナーへの出席は叶いませんでした。なんとか講話を聞いても、シェア会や朝食会を欠席して現場に舞い戻っていました。会の仲間ともあまり馴染めず、寂しい気持ちもありましたが、『万人幸福の栞』や創始者丸山敏雄先生はじめ歴代理事長の著書、「今週の倫理」で学習を続けました。
そんな私のことを、大野香葉美参事や先輩方は、何かと目をかけてくださいました。忘れられないのは、事業が倒産寸前になった平成25年、大野参事に「これまでお世話になりました」とお伝えしようとしたときのことです。電話に出られた大野参事の声は、いつもと違い、か細く弱々しく、〈どうしたのだろう〉と思いながらも自社の状況を正直に話しました。すると、大野参事は弱いながらもはっきりとした声で「倫理経営をしてみて。あなたなら大丈夫」と仰いました。
それを機に、〈本気で倫理を学ぼう〉と決意し、役に徹する実践に取り組み、自社に活力朝礼を取り入れ、先頭に立って行ないました。そして、社員とのコミュニケーションに務めるだけでなく、できるかぎり時間を作り、会の行事に参加しました。会友は温かく迎えてくれ、活動に参加できないことを私が一人で気まずく感じていただけだと気づきました。心開くことのできる仲間の輪が拡がり、一人で悩む時間が減りました。皆の心からの忠告を受け入れ、事業で実践するうち、次第に業績が回復していったのです。後に大野参事から、私を励ましてくださったときは胃の全摘手術で入院中だったとお聞きしました。翌年にはご主人を亡くされる苦難にもあっていらっしゃいました。そのような中でも、私の相談を全力で受けてくださり、他者のために尽くされるあり方には頭が下がるばかりです。
平成28年に、高知東倫理法人会の専任幹事を受けました。榊原英之会長、西村仁志事務長のお人柄や活動への熱意に感心しながら、いつも「いいと思います」と口にしていました。専任幹事は、会長の想いを具現化して、会友との橋渡しをする職務です。「いい」と受け入れたのなら、私自身が実現の方策を立てて動かなければなりません。このお役が、「本気で動く」意識を育ててくれたのだと思っています。
その後は、高知市中央への移籍、正副幹事長を経て、令和2年度から3期にわたって高知県の会長を務めました。会運営、家庭や事業でもさまざまな苦難がありましたが、すべて先輩や会友に相談し、素直に受け入れ、実践に取り組むことで乗り越えられました。改めて、倫理を学ぶとは、成功に至る道・幸せに続く道を、自分自身で実践して研究していくことなのだと振り返っています。
大野参事は、「会長は終わってからも大切よ」とアドバイスをくださいました。そこで、任期中には家をあけてばかりで心配をかけた妻に心を向けるよう務めています。共に倫理を学んでくれた妻が日々支えてくれ、的確なアドバイスをくれたからこそ、楽しんで役職を全うできたのだと思います。最近、わが家では、長男と三男の結婚、孫の誕生などの幸せが続きました。次男からのよい報告も期待しつつ、家庭と事業、会の皆を大切に過ごしていきます。