東京歌ごもり
東京 憩の家 井坂 トシ
「しきなみ」の創始を寿ぐ歌ごもり『源流吟』の朗詠しみる
創始より八十年の歌ごもり百人の短歌にふれた一日
評
創始80年を記念して歌ごもりが各地で開催されました。実行委員会のスタッフ、参加された会員皆でもりあがり、それぞれの短歌に感動した一日でありました。作者もそうであったと思います。書は心情なり
東京 町田法人 有馬 寛実
真っ直ぐにたった五センチ引ききれぬ半紙に表る心情なりか
心情を自覚以上に表すは真っ直ぐ引けぬ半紙の線なり
評
作者の投稿の字を拝見しまして、きちんと真っ直ぐに書かれています。短歌に向き合う姿勢にも真っ直ぐではないでしょうか。書に「真っ直ぐ引けぬ」とありますが、きっと思う字がもう書けているのではないでしょうか。「東京歌ごもり」
東京 きたしな 榎本 正子
東京で一〇三名の歌ごもり出会えて学ぶ「しきなみ短歌会」
敗戦後うぶ声あげし「短歌会」同世代に生き吾は傘寿なり
評
「東京歌ごもり」ですね。作者は傘寿とありますので、まさにしきなみと一緒ですね。103名の方の短歌に感動されて、短歌がより深くなられたことでしょう。五月の風
東京 武蔵小山 清水みち子
さわやかな五月の風を受けながら自然の豊かさ肌で受け止む
やわらかな五月の日差し手のひらに受け止め抱く恵みに感謝
評
5月の風を爽やかに優しく詠んでくださいました。読んでいて、ふわりと5月の風を感じました。久々のカラオケ
東京 王子神谷 永井 順
妻誘い車椅子押し久々にカラオケ店を訪ねてみる日
不安げに声が出るかと言っていた妻の出だしはまずは順調
評
優しい御主人ですね。奥様の車椅子を押してカラオケ店にいかれました。「久々のカラオケ」という題です。楽しい時間を過ごされたことでしょう。真夜中のドライブ
東京 倫研 小池 伸悟
夜泣きする吾子を車で連れ出せど眠るどころかますます泣きぬ
泣きつかれ眠れる吾子に月明かり涙の跡がかすかにうかぶ
評
真夜中のドライブ。子育て中のお父さんは大変ですね。お母さんも一緒だと思いますが。夜泣きする子供をあやすためにドライブに行かれた。頑張っていますね。お疲れ様です。曾孫
東京 南大塚 林 貞子
八カ月の曾孫を見せに連れて来てほほえみ見れば至福と思える
曽祖父や皆にだかれひ孫笑顔温もりに身を寄せて眠るる
評
8ヵ月のひ孫を囲んで、賑やかな様子がよくわかりますね。小さな子供がいると、それだけで皆が笑顔になれますね。訃報
東京 南大塚 坂本 照子
絶対に仕事休まぬ貴女には何か異変があったと案ずる
オロナミンC貴方の好きな飲み物を頂き我は静かに偲ぶ
評
訃報との題です。突然に知らされて、驚きと悲しみであったことでしょう。友人との別れ、2首目の短歌にしみじみと詠まれました。みかんの花
東京 方南 菅俣 雅子
連休にうから集いて若き等の熱気溢れて家内華やぐ
街角にみかんの花の香りして杳き日の景思い出しおり
評
家族が連休に集い、賑やかな様子を詠まれました。いいですね。2首目のみかんの花の香りと共に甦る思い、ありますね。作者にとっての思い、香りの思い出ですね。短歌
「お母さん一緒に行きましょヨーロッパ」約束果たさず逝きし娘よ
(東京 調布 髙嶌みどり)
(東京 調布 髙嶌みどり)
「母さんの娘になれてしあわせ」と長女からの手作りブーケ
(東京 大岡山 尾﨑 次江)
(東京 大岡山 尾﨑 次江)
富士山を仰ぎ見るたび清らかな心に成りて通い続ける
(東京 王子神谷 品川登紀子)
(東京 王子神谷 品川登紀子)
物価高小さな庭に夏野菜水やり声かけ収穫をまつ
(東京 上目黒 山本かつ子)
(東京 上目黒 山本かつ子)
「愛」と「和」を考え続けて「愛和」を知る心平安安らけきこと
(東京 上目黒 儘田 照子)
(東京 上目黒 儘田 照子)
元そば家の九十八歳の鈴木さん御指導のもとそば打ち作り
(東京 上目黒 石山 澄子)
(東京 上目黒 石山 澄子)
毎日の大事な食事手作りのみそで円やか我が命なり
(東京 野方 熊谷 紀子)
(東京 野方 熊谷 紀子)
膝痛に加齢と言われ納得も膝擦りつついやまだまだと
(東京 きたしな 沖野 優子)
(東京 きたしな 沖野 優子)
絶え間なく生死離別を繰り返すガザの悲劇に来れよメシア
(中国 倫研 于 振忠)
(中国 倫研 于 振忠)
この度は三日続きで花の宴ソメイヨシノの散らぬ間に
(米国 南カリフォルニア 尾崎よしみ)
(米国 南カリフォルニア 尾崎よしみ)
木洩れ日の緑に守られ本門寺あまたの仏安らかにあれ
(東京 大森 島田ハルエ)
(東京 大森 島田ハルエ)
幾歳も花を付けない躑躅なれど今年は数多咲いてくれたり
(東京 方南 栁浦 弘子)
(東京 方南 栁浦 弘子)
厳(おごそ)かに父母の法要子孫ら家族集いてサツキも彩る
(東京 糀谷 佐藤 雪子)
(東京 糀谷 佐藤 雪子)
薄紅に川面を被う桜花あらざらむ世も染めいるらしか
(東京 南大塚 廣瀬 道子)
(東京 南大塚 廣瀬 道子)
家中に楽しい思い出焼き付けて愛猫のリク虹の橋渡る
(東京 西東京 西山登代子)
(東京 西東京 西山登代子)
娘より小包み届く母の日に年々華やぐ麻のTシャツ
(東京 大泉 小島 光代)
(東京 大泉 小島 光代)
待ちわびていたかの様に一斉に庭のもみじは葉を広げたり
(東京 西八王子 江座 多美)
(東京 西八王子 江座 多美)
天気雨古老は「狐の嫁入り」と口に出しても分からぬ世代も
(東京 上目黒 小野瀬康裕)
(東京 上目黒 小野瀬康裕)
買い替えの冷蔵庫には成長期の子らの胃袋支えてもらった
(東京 倫研 髙谷千香子)
(東京 倫研 髙谷千香子)
駅ナカで皆とはぐれて二人きり慌てて動きどつぼにはまる
(東京 南大塚 堀川 知子)
(東京 南大塚 堀川 知子)
孫「莉々花」下校後ひとりお留守番今日からふたりよ犬の「らい君」
(東京 昭和 髙野 久枝)
(東京 昭和 髙野 久枝)
木漏日に湧き出づる水柿田川青色深し幻の如
(東京 武蔵小山 村田恵美子)
(東京 武蔵小山 村田恵美子)
好物の老舗の残月買い求め仏前供う母の命日
(東京 大泉 井口 節子)
(東京 大泉 井口 節子)
梅の実のなり年なるかたわわなり梅漬けジュースに器の手配
(東京 月光 川井富美子)
(東京 月光 川井富美子)
年老いて自力で旅行ままならずゴールデンウィーク脇目に眺む
(東京 憩の家 鈴木 貞男)
(東京 憩の家 鈴木 貞男)
空は澄み藍色深くつゆ草はそよ吹く風にひたに咲きおり
(東京 憩の家 神谷 洋子)
(東京 憩の家 神谷 洋子)
連休に泊り来る孫大イビキ聴くは幸せ眠れぬ幸せ
(東京 三軒茶屋 青木トシ子)
(東京 三軒茶屋 青木トシ子)
選をおえて
暑い夏がやってきました。皆様、暑さ対策は万全でしょうか。今月の投稿の短歌に歌ごもりを詠まれた短歌がありました。各地で創始80年を記念した歌ごもりが開催されました。実行委員会をもち、皆で盛り上げた大会でした。参加された会員も、100余名のそれぞれの短歌の動機に感動した1日であったと思います。会員の絆も深まったことでしょう。暑い毎日どうぞご自愛ください。来月も皆様の投稿をお待ちしております。