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9月 群蛍集(岐阜・静岡・愛知・三重) 川又はつ江 選

9月 群蛍集(岐阜・静岡・愛知・三重) 川又はつ江 選

さつまいもの苗植え

愛知 北 三品きよみ

園児らのいもの苗植え手伝いに「大きくなあれ」とパワー光線
JAの協力あって苗確保地域で育つ園児の笑顔
「大きくなあれ」とのパワー光線は、芋苗と子どもたちへも届いたことでしょう。「子ども達を地域で育む」地域性が垣間見れます。収穫が楽しみですね。

デイサービス

岐阜 大垣北 桑原 弘子

母いわく「デイサービスに行かないわお家(うち)がいいの」保育児のごと
誰のためデイサービスは楽しいか母の為かな吾の為かな
2首目、胸に迫ります。行けば楽しいこともあるのでしょうが、家が一番なのでしょうね! お母さんを想う作者が温かいです。

人生

静岡 富士宮 諏訪部清子

人生も七十後半おもしろい知り得た知識を今ぞ生かして
年重ね何事にも興味沸く高まりゆく人生の醍醐味
力強い清書の文字です。「おもしろい」と余生を過ごせたら、最高ですね。まだまだ、70代の作者です。

世代交代

岐阜 長良 橋本恭須代

「生意気」と思う心を「尊敬」へ見方変えたら大物となり
激動の波に乗りゆく新社長我のお役は裏方舞台へ
息子さんとの世代交代なのでしょうか? 「尊敬」へと見方を変えることに気づいた作者が素敵です。裏方になりきる姿が見えてきます。

食欲旺盛

愛知 安城 中根 礼子

米二合ペロリと平らぐ息子いて夕餉の支度に張り合いのあり
山盛りのご飯は息子の胃袋に吸い込まれゆくいい食べっぷり
「食べる子は育つ」逞しいです。しっかり食べることは胃腸を鍛え消化吸収を高めるそうです。お母さん、作り甲斐がありますね。

応援団長

静岡 浜松中央 神田 綾乃

運動会来賓席の目の前で宣誓する吾子眩い勇姿
惜敗し幾度も目頭押さえつつ級友たちに語る団長
息子を見守る母親の目線が温かいです。他人への思いやりも育っています。頼もしい団長さんです。

デジタル化

静岡 裾野 髙村 睦子

「デジタル化」かっこよい言葉に老いの身は理解できずに悩めるばかり
世の中は「デジタル時代」老いの身は一つ覚えて一つ忘れる
老いの身とは何歳なのでしょうか。世の中の変化を不安に想う気持ちが2首に込められています。前向きに捉えて、慣れて行きましょう。共感します。

孫の初任給

静岡 狩野川 川崎 優

孫からのメールが届く初任給で「うなぎおごるよ」じーじばーばに
おいしいね今日の鰻は特別だ我らの会話に孫うれしそう
初任給でじいちゃんばあちゃんに御馳走をするお孫さんの気持ち嬉しいですね。忘れられない、うなぎの味になったことでしょう。2首目の詠みぶりが温かいです。

静岡 焼津 石川 悦子

琴の爪初めて付けて弾いてみる楽器の苦手な我には脳トレ
知らなかった音符の変りに漢数字違う世界も何故か新鮮
今まで知らなかった新しいことへの挑戦での喜びの2首です。世界が広がりましたね。

子の働き

静岡 御殿場西 三石 幸代

連休に息子の計画ペンキ塗り車庫全体を一人でコツコツ
夫に似て早目に計画実行し子はペンキ塗り天気も味方す
「夫に似て」から、ご主人への尊敬の思いが伝わります。塗り替えられた車庫は、一際輝いて見えることでしょうね。

短歌

ぷくぷくのグリンピースを収穫すさやから飛び出る大粒の豆
(静岡 焼津 小田富三江)
創始者の御墓を心こめ磨く五月の風が清しく吹きぬ
(静岡 三島西 鈴木 睦夫)
初めての短歌づくりに集まりて「出来た・詠めた」と上がる歓声
(静岡 富士宮 芦澤 義信)
年重ね夫先頭に籾をまく孫の応援逞しくあり
(愛知 吉田 上田 清美)
かな文字に日々親しめば平安の貴族の懐入りゆくような
(愛知 尾北 宇佐見雅衣)
富士山を薩埵峠で眺むれば清き姿に我背をのばす
(静岡 清水 村澤 利恵)
早朝に野球少年「おはよう」と挨拶くれて走る坂道
(三重 伊賀 濱野美智子)
喜寿の宴お礼の言葉子等に言う「みんな仲良く何より嬉し」と
(岐阜 大垣北 豊田 髙子)
すっきりと剪定された南天の枝葉を揺らし春風踊る
(愛知 野田 服部 昌代)
チューリップ大きな花弁ふんわりと覗けば蛙絵本の世界
(愛知 野田 𠮷房万美子)
子がいつも食事の仕度片づけを我毎日が母の日のよう
(静岡 狩野川 落合 道子)
母の日に子等が見立てしくつの色うす紫が初夏に映える
(静岡 小山 小野ふみ江)
母の日に一本のバラのプレゼント男孫からの粋なはからい
(静岡 御殿場西 椙山 和子)
亡き夫の遺志を守りて祝日の国旗はためき面影を追う
(岐阜 池田 岡田 弘子)
五年ぶり八十五歳の姉と会う元気で前向き見習わねばと
(愛知 尾西 大塚 雪子)
初夏の陽に色とりどりのバラの花甘い香りに顔を寄せたる
(岐阜 大垣北 河合早百合)
雨あがり水玉のこるアジサイにカタツムリ動く角だしゆっくりと
(静岡 清水 豊島 淑子)
道の辺の松葉雲蘭そよぐ朝子らの帰省待つ五月の空に
(愛知 栄 納村 葉子)
父葬儀家族葬にてゆっくりと別れの時を吾子らと過ごす
(愛知 吉田 横山 梓)
姉は今われの名忘れすまぬとや別れ際には涙流しぬ
(岐阜 池田 八田美代子)
お寺から二胡の音色が流れ来るコンサートへと足早になる
(岐阜 大垣北 佐竹 恒子)
赤赤と囲炉裏の炭火串アマゴ香り漂いせせらぎの音
(岐阜 大垣北 金森 智子)
友からの百日草の花の苗主人が早速植えてくれたよ
(愛知 尾西 曽根みえ子)
メークイン白地に淡い紫の絞りが入る愛らしい花
(愛知 尾西 石原伊都子)
店内に並べる野菜は新鮮で売れる事願うふれあい市(いち)に
(静岡 裾野 原 ふみ子)
はとバスで国立競技場体観すスケール大で声あげるばかり
(静岡 御殿場西 江藤 弘子)
涼しげに小判草の風にゆれ孫に見せたや自然の風を
(静岡 富士宮 秋山富美子)
庭っ辺に日ごとに開く夏花の手入れにはずむ至極の時間
(愛知 吉田 大山 栄子)
池覗く子の声聞きつ頷きつ屈み見守る若きパパさん
(愛知 野田 髙野 幸江)

選をおえて

日本中が期待をして、応援をしたワールドカップが幕を閉じました。負けてしまった悔しさを選手や我々応援者は、どのように受け止めたのでしょう。それぞれの受け止め方があり、その受け方次第で次があるかとしみじみ思いました。短歌に詠まれた方もいることでしょう。楽しみに来月もお待ちしております。