雲見浅間神社
静岡 裾野 千葉真由美
息切らし急な石段踏みしめて磐長姫(いわながひめ)待つ絶景の海へ
海と空伊豆の島々一望(いちぼう)す頂(いただ)き険(けわ)し雲見の社(やしろ)
評
雲見浅間神社は、烏帽子山山頂に鎮座する神社で、駿河湾と富士山を一望できる絶景スポットと知りました。初句の「息切らし急な石段」を踏みしめて「絶景の海へ」や「頂き険し雲見の社」と、とても美しいお作です。息子
静岡 御殿場西 芹澤 桂子
命日に亡き子の友が墓参りいついつまでも感謝でいっぱい
良き友に恵まれ育ちし子よ今は大きな空で見守っていて
評
命日に亡き子の友が墓参り。感謝の気持ちが伝わって来ます。今は大きな空で見守っているのでしょう。息子さんを亡くした寂しさと友への感謝を上手に詠んでいます。保育園
愛知 安城 石谷 茂
園児達行きと帰りは大ちがいママのお迎え飛び跳ね帰る
「チョット待って」走る園児を追いかけるお迎えママは吐く息荒く
評
園児達の行きと帰りは大ちがいで、園児の喜びが伝わって来ます。2首目はお母様の様子を細やかに表現され、躍動感のあるお作です。父の日に思う
静岡 富士宮 木伏 妙子
若き日はプレゼントする余裕なくもらうばかりで「お父さんごめんね」
もう遅い今ならできるプレゼント「お父さんごめんね」心が痛む
評
「お父さんごめんね」で、作者のお父様への愛情と、優しさが伝わって来ます。とても共感する良いお作です。洗濯屋
愛知 北 伊藤 勝
洋服のアイロンかけてシワシワを綺麗に仕上げお届けをする
古くから技術が売りの洗濯屋素材に合わせキレイに洗う
評
「洋服のアイロンかけて」、「綺麗に仕上げお届けをする」や「技術が売りの洗濯屋」さんと、大変な仕事をサラッと上手に詠んでいます。最後の同窓会
愛知 春日井東 長谷川洋二
八十路過ぎこれが最後の同窓会皆んな元気でと分かれを惜しむ
友からの連絡有りし同窓会これが最後と青春に返る
評
「八十路過ぎこれが最後の同窓会」と、「元気でと分かれを惜しむ」作者。2首目の「これが最後と青春に返る」で作者の楽しみや喜びも伝わって来るお作です。青森の温泉
愛知 東 加藤 兼善
海べりのひょうたん形の湯舟から夕陽を望む不老ふ死の湯
電気ガス電波も届かぬ山奥の青荷温泉ランプが頼り
評
「ひょうたん形の湯舟から夕陽を望む」とは、絶景でしょうネ。2首目の青森の山深い不便という名の贅沢、「ランプの湯」に一度は行って見たいです。2首共にとても良いお作です。短歌
綴られしリハビリ日誌めくり見る義母の遺品にかの日を偲び
(愛知 栄 平澤恵美子)
(愛知 栄 平澤恵美子)
吾子たちと幼き春に摘んだ土手蘇りくる産直土筆
(愛知 吉田 山内美穂子)
(愛知 吉田 山内美穂子)
数学のテスト中に目くばせし「わかりません」と訴える子ら
(岐阜 大垣北 笠嶋 美幸)
(岐阜 大垣北 笠嶋 美幸)
足元に目をうつしたらタンポポが笑顔いっぱい初夏の知らせ
(静岡 焼津 金子 正男)
(静岡 焼津 金子 正男)
チューリップ「ドレミドレミ」と指で押す絵本の付録おもちゃの鍵盤
(三重 伊賀 田村 伸子)
(三重 伊賀 田村 伸子)
「日本一」看板の文字気持ち向くたい焼きよりも言葉惹かれる
(愛知 東 林 俊臣)
(愛知 東 林 俊臣)
推敲に推敲重ね吟味することば選びの時間たのしむ
(三重 伊賀 中山 里子)
(三重 伊賀 中山 里子)
しゃぼん玉を追いかける孫を追いかけるばあばの息はあがりっぱなし
(愛知 春日井東 矢野貴代美)
(愛知 春日井東 矢野貴代美)
料理など縁なき夫も定年で炒飯スープ腕前上げる
(愛知 春日井東 鈴木 千晴)
(愛知 春日井東 鈴木 千晴)
跡継ぎが防人として筑紫へと父母はさぞ悲しかったろう
(静岡 清水 原田 洋子)
(静岡 清水 原田 洋子)
ロングラン『国宝』観ればフィクションの歌舞世界に迷い込むごとく
(岐阜 長良 永田三千代)
(岐阜 長良 永田三千代)
同窓会あと幾日と数えつつ少年のごと待つ夫愛し
(岐阜 長森 中瀬加依心)
(岐阜 長森 中瀬加依心)
山けむる雨の庭園若葉萌え生の額絵の足立美術館
(静岡 焼津 八木美知代)
(静岡 焼津 八木美知代)
昼食後歌を詠まんとエンピツを握る指先ポロリと落ちる
(愛知 尾北 長瀬 俊枝)
(愛知 尾北 長瀬 俊枝)
孫十月(とつき)立つこと覚えくり返す転ぶもかわいい節句の主役
(静岡 富士宮 後藤 恵子)
(静岡 富士宮 後藤 恵子)
炊きたてのご飯手にとり「あっちっち」三角おにぎり得意の形
(岐阜 大垣北 川﨑 秀二)
(岐阜 大垣北 川﨑 秀二)
早朝の草取りすればうぐいすの鳴き響く声に頰が緩みぬ
(静岡 三島西 勝俣 要子)
(静岡 三島西 勝俣 要子)
看護婦のがんばる姿見た時に赤十字の寄付決意する
(愛知 天白 鈴木 茂樹)
(愛知 天白 鈴木 茂樹)
夕暮れを夫との散歩心地よし何も語らず並んでゆっくり
(愛知 栄 小島 和代)
(愛知 栄 小島 和代)
麦畑見渡す限り黄金色ひばりさえずり空高く舞う
(岐阜 高田 千賀登志雄)
(岐阜 高田 千賀登志雄)
トンビ鳴きウグイスも鳴く山間(やまあい)は足を止め聞く春の合唱
(岐阜 長森 今井 高文)
(岐阜 長森 今井 高文)
レゴランド次男の招待初めての遊園めぐり童心にかえる
(愛知 北 安藤 正彦)
(愛知 北 安藤 正彦)
孫小波(さなみ)幼き頃に父亡くすも東京芸大見事に卒業
(岐阜 駄知 正村 文子)
(岐阜 駄知 正村 文子)
選をおえて
今月も選をさせて頂き、有難うございました。お題を見ないと、意味がわからない歌などがあり、いつも言っております様に「一首一感動」でお願いします。もったいないお作もたくさんありました。来月も皆様の短歌、たのしみにお待ちしています。