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9月 飛雲集(大分・宮崎・鹿児島) 三浦恵美子 選

9月 飛雲集(大分・宮崎・鹿児島) 三浦恵美子 選

パッチワーク

鹿児島 田崎 眞邉 俊子

布選びしるし付け終えさあいくぞとパッチワークの針を進める
大作を目指しパーツをつなぎゆく手までワクワクパッチワークよ
パッチワークで大作を目指す作者。「布選び」、「しるし付け」、「さあいくぞ」と針を進めるのですね。仕上がりがワクワクですね。好きな趣味を持っていることは人生の生きがいですね。

喜びに涙にじむ

宮崎 小林 宮原 享子

骨接の五週の入院ようやくに明けて寮母の仕事に戻る
復帰せし我を拍手で迎えくれ涙ににじむ寮母冥利よ
骨接をされ、5週間入院された作者。つらかったですね。寮母の仕事に復帰されると拍手で迎えてもらい、皆さんから信頼されている作者。これからもお元気でご活躍ください。

機織り

鹿児島 龍郷 松浦真由美

子育てをしながら織りなす伝統美娘の手から大島紬
子守り唄今も昔もトントントン筬(おさ)の音(ね)聞きつつ孫はお昼寝
子育てをしながら、伝統の大島紬を作られるとは素晴らしいですね。子守り唄がわりにトントントンと筬(おさ)(経糸(たていと)の密度と織り巾を決定)の音(ね)を聞き、お孫さんは成長されるのですね。

歌ごもり

大分 岩屋 森田 洋子

歌ごもり一夜限りの二人部屋よもやま話に話がはずむ
各人が短歌に込めた思い入れ皆の前で堂々と解く
歌ごもりに参加され、2人部屋でよもやま話に花が咲くのもいいですね。2首目、各人が短歌にこめた思い入れをマイクを持って皆の前で発表する、堂々として立派ですね。

天和の里で

大分 鶴居 山崎 慈子

春風(はるかぜ)に身をまかせての吟行よ花びらが舞う天和の里で
ここち良き風吹く空に鳶が舞う天和の里で時を忘れる
穏やかないいお歌ですね。「春風に身をまかせて」がとてもいいですね。2首目、天和の里で時を忘れるほどのどかな吟行を楽しまれたのですね。心も洗われたことでしょう。

農作業

宮崎 延岡北 吉田千穂子

雨続きタマネギ収穫大幅におくれて皆でありのごとくに
神様に雨がふらずにいてくれと空を見上げて無言の作業
雨が続いてタマネギの収穫が大幅におくれてしまい、皆でありのように忙しなく働かれたのですね。2首目、空を見上げて神に祈りながらの農作業、本当に頭が下がります。

夫婦の時間

鹿児島 武岡ハイランド 田中健次郎

母の日に妻の誘いで墓参り穏やかな日を今日も紡いだ
喜寿となり夫婦の時間ともにしてささやかなれどこれも幸せ
母の日に奥様からの誘いで墓参りをされた作者。穏やかな日に感謝を忘れない心が素晴らしい。2首目、喜寿を迎えられ、夫婦でともに過ごせる時間こそが何より幸せですね。

歌ごもり

大分 亀川 髙岡トモ子

歌ごもり学び深きし貴重なる求め得ずして手には入らぬ
遠方の歌友仲間と語らいを大分の地に集いて楽し
歌ごもりに参加され、学びの深さに感動された作者。いい体験が出来ましたね。2首目、遠方の歌友仲間との語らいも楽しまれ、得るものが多い歌ごもりでした。

木漏れ日

大分 大分中央 佐藤 貴子

歩く度揺れるスカート木漏れ日が作る光のまだら模様に
てのひらに差したやさしき木漏れ日を掬(すく)いてみれば歩道にこぼる
揺れるスカートと木漏れ日が作るまだら模様、光の織りなすステキなひと時ですね。てのひらで木漏れ日を掬(すく)おうとしたら歩道にこぼれた、思いがけない光のプレゼントでした。

短歌

嫁さんのうれしい響き「お父さん」テレクサさありうれしさ一杯
(鹿児島 小松原 有馬 健二)
もっこすの夫に嫁ぎて五十八年(いそやとせ)今も変わらずもっこす通す
(大分 大分中央 尾崎 寿子)
初取れのエンドウごはん香りよし友らとドライブおにぎりにして
(大分 ふじが丘 甲斐 敬子)
草取りも短歌づくりも途中まで力尽きては個性と悟る
(宮崎 志比田 肥田木まり子)
うたごもり見知らぬ人との同室も言葉交せばなごみてうれし
(大分 木立 岡田 和子)
点滴で日々を繋いで生きている義母(はは)を抱きしめ安らぎ願う
(鹿児島 霧島 今村 純子)
咲く時季を「さつき」は知るのか急ぐごと「子の命日」に満開となる
(鹿児島 川内 南 順子)
ランドセルと黄色の帽子一列に並んで帰る新一年生
(宮崎 志比田 恒吉 法子)
プリプリのちまき喉越しツルリンと姑からの味引き継がん今
(鹿児島 出水 折橋 妙子)
「大好きな白詰草に出合った」と空の亡き夫に心でメール
(鹿児島 川内 溝口ノリ子)
ピンポンと弾むリズムに身を任せ沈む心を打ち返す午後
(大分 白杵中央区 村松 一枝)
波静か霞がかかる錦江湾自然満喫歩ける幸せ
(鹿児島 霧島 堂園とし子)
亡き義母の竹の子ご飯茶碗むし心がおどる吾の誕生日
(鹿児島 西伊敷 武 和子)
新緑のこんな天気の良い午後に旅立った友幼児残し
(鹿児島 小松原 有村かおり)
歌ごもり緊張かかえ参加する友は優しく倫理の力
(大分 木立 平石久美子)
ふんわりと薄き花びら幾重にも牡丹の花の甘き香愛でる
(大分 亀川 笠木 栄子)
淹れたての珈琲飲まんと干し物も毛布洗いも後に回して
(大分 亀川 園田 恭子)
何事も自分で決めて行動す人との繋がり「大事だね」と孫
(大分 ふじが丘 牧野 和美)
はかなくも十五の春は過ぎ去りて憧れの君も浦島太郎に
(鹿児島 西伊敷 伊地知美智子)
一日は幼き頃と同じでも時間の流れ早すぎる今
(鹿児島 霧島 西村てる子)
子供の日プレゼントより手作りのみたらし団子初挑戦す
(鹿児島 鹿屋寿 岩元 聖子)
雲間より覗きし夕日海照らし天使の階段現れにけり
(鹿児島 霧島 前田すみ子)
三月(みつき)の孫にっこりすればえくぼ出て家族みんなの笑顔満開
(鹿児島 霧島 松元 愛子)
引き出しの奥より出でし古き服思い出ともに風を通せり
(鹿児島 郡元 北側 博邦)
新しきスケジュール帳の裏表紙義父母義兄の命日を記す
(鹿児島 帖佐 平田 博子)
図書館の隣の君に聞けた日よ今はチャットでときめきもなし
(大分 滝尾 河野由紀子)
傷つきし体なれどもその勇姿戦争遺産に拍手起こりぬ
(鹿児島 出水 藤野 基)
切り替えの苦手な吾に日めくりの言葉がそっとぬくもりくれる
(大分 佐伯中央 大澤 清美)
北向きの少ない土でも次つぎと朝顔今年いくつ咲くかな
(大分 岩屋 下宮のり子)

選をおえて

飛雲集へ昇格された皆さん、おめでとうございます。今年は、しきなみ短歌会創設80周年記念の歌ごもりが各地で開催されました。私も南三陸で開かれた「北海道・東北歌ごもり」に参加しました。大きな歌会は、他の地域の人の歌に感動し、又、自分の歌に評を頂ける貴重な時間です。最高点歌は101歳の女性のお歌でした。 夕食の後の余興では、それぞれの地域の出し物にお腹をかかえて笑い、二次会では昭和の雰囲気のホールで、唄え踊れの盛況でした。