子の成長
東京 王子神谷 脊板 幸子
怖がってエサもやれずにいた吾子も五歳の今は飼育員のよう
「やだよぉ」と言いて大人の顔うかがいイヤイヤ楽しむ二歳の吾子よ
評
5歳のお子様、2歳のお子様。それぞれの今を詠んでいる愛らしい短歌は、成長の記録であり、作者の宝ものですね。お子様にとってもやがて宝ものになりますよ。島袋眞砂美 選
五月のひとコマ
新潟 新潟江南 久代 秀明
母の日に娘が描く家族の絵パパの姿なく「ああ悲しけり」
渋る子をなだめ散策五色沼神秘の景色子らも満足
評
お嬢様が描かれた家族絵に父親(作者)がいないのは悲しいですね。「母の日」なので……。2首目、五色沼の景色、始めは渋っていても、行けば満足され、良かったです。藤井眞知子 選
家族旅行
神奈川 横浜北法人 山本 健輔
恐竜を見たいと福井を訪ねるも吾子は怖いと我に抱きつく
福井駅プテラノドンを背景に吾子のピースと渋めの顔と
評
「恐竜を見たい」と言っていたのに、行ってみると大き過ぎて怖くなったのでしょう。2首目、駅前で記念撮影した時、怖くて笑顔になれなかったのでしょうね。藤井眞知子 選
我の家では荒れ放題
神奈川 相模原みなみ 小澤 泰章
帰宅して部屋に散らばる子ども服見事な散り様桜のように
いつの日か片付けできる日を信じ自らたたむ子どもらの服
評
帰宅すると、お子様の服が部屋中に見事に散らかっていて、怒るより驚きました。2首目、いつの日か自分で片付けできるようにと、ご自身の経験でしょうか。藤井眞知子 選
自転車乗り
沖縄 久茂地 伊波 泉美
ヘルメット被ると凛しい一年生自転車のれるねあともう少し
自転車の練習励む六歳児ぎこちないけどほらもう乗れた
評
お子様が自転車に乗れるようになろうと練習に励む姿を見守る作者。ヘルメットをかぶり、果敢に挑戦する勇ましい姿に成長が感じられ、温かく応援する気持ちが良く伝わります。大庭江里子 選
わが子
東京 扇橋 角田 文子
応援団自ら選んだわが子なり堂々踊る姿頼もし
サッカーをやりたいと口にしたる子の小さき一歩を応援したし
評
応援団もサッカーもお子様が、自らの意思で選び決めたことを頼もしく思っていることが伝わってくる短歌です。これからのお子様の成長が楽しみですね。富山明美 選
小2と1歳
東京 金町 キャナン由香
韓ドラに夢中の吾に長女から「サランしてるよ」お手紙もらう
ETで座ったままの末っ子は指一本でばあば動かす
評
韓国語の「サラン」は「愛」を意味しますので、娘さんからママへの「愛してるよ」のラブレターですね。映画『E.T.』では小さな宇宙人の指のシーンが印象的でしたね。富山明美 選
お風呂場で
埼玉 青木 染谷 絢美
「あわあわわ」「背中を洗ってあげます」と二歳の美織の優しい手つき
「ママ背中洗ってあげます」二歳吾子「あわわあわわ」と呪文いいつつ
評
お子様の小さな手が、作者の背中で楽しそうに動いています。「背中を洗ってあげます」「あわあわわ」という、可愛らしい呪文が心地よく耳に残ります。仲宗根里枝 選
おたまじゃくし
埼玉 領家 山下容佳子
たまちゃんとおたまじゃくしに名前つけ何度も餌やり覗き込む吾子
一日に何度も餌やり水換えとお世話したがる四歳の吾子
評
おたまじゃくしに「たまちゃん」と命名する。餌やりに水換えのお世話に夢中になっている4歳のお子様の姿が愛おしいですね。「おたまじゃくし博士ちゃん」の誕生でしょうか。仲宗根里枝 選
母の日
埼玉 深谷 美雪ベルガー
母の日に「ありがとう」と二歳の子兄に習って恥ずかしそうに
開始から「抱っこしてよ」と子供たち自力で歩く初ハイキング
評
お兄ちゃんを見習って、「ありがとう」がちゃんと言えたのですね。「恥ずかしそうに」の表現が目に浮かぶよう。2首目、抱っこを我慢して、いっぱい頑張ったお子様たち、偉いですね。仲宗根里枝 選
サッカー
愛知 安城 田畑あすか
待ちに待ち入園を機にサッカーを始めた三男やる気に満ちる
三歳の吾子はサッカー始めるもボール当たりて洗礼受ける
評
待ちに待ってた入園と、サッカーを始める三男さんのワクワク感が伝わって来ます。3歳でサッカーを始めて「ボール当たりて洗礼受ける」で、お母様のユーモアもあり、とても良いお作です。長谷川眞佐野 選
初めての映画
大阪 八尾市南 舩木由起子
四歳の吾子初めての「映画館」馴れない椅子に「もぞもぞ動く」
囁きを口に指あて「おやくそく」直ぐに映画に魅入り不要に
評
真っ暗な中に、座りなれない椅子ですから、「もぞもぞ動く」のは仕方ないことですね。2首目、不安ながらも、ちゃんと、静かにする約束をまもってくれるのですから、本当におりこうさんですね。井ノ上修二 選
初めての幼稚園
兵庫 川西 清藤 素子
「行きたいの」「行きたくないの」が交差する気持ちと戦う三歳梁助(りょうすけ)
ポロポロと泣きたい気持ち我慢してバスに乗り込む三歳梁助(りょうすけ)
評
「行く」「行かない」で、親子の心の葛藤があるのは、どうしても通らなければならない、関門なのかも知れません。2首目、3歳の子が、涙「ポロポロ」しそうになる姿を見ながら、心の中では一緒に泣いているのです。井ノ上修二 選
花粉症
大阪 寝屋川 野下早希子
花粉時期慢性鼻炎の小二次男鼻すする音で居所分かる
鼻うがいデビューの七歳父親は鼻炎の先輩ノウハウ伝授
評
花粉症を含めて、鼻の炎症は辛いことと思います。見る方も大変ですが、「鼻すする音」を「居所分かる」音として捉えることが実に明るいですね。2首目、鼻うがい、よくがんばりましたね。エライ。井ノ上修二 選
三歳のまりな
香川 三豊 増崎真智子
三歳のケーキはアナ雪まりなちゃんアナのドレスで笑顔溢れる
アナ雪にどハマリのまりなちゃんプリンセス目指し日々精進
評
まりなちゃん3歳のお誕生日おめでとうございます。お祝いのケーキはアナ雪のドレスを着ているのですね。アナ雪、ドハマリまりなちゃん。可愛いですね。あの美しい曲が流れてきそうです。和田和子 選
日々の出来事
福岡 宗像 田中 菜月
抱っこして差し出す手をも愛おしく愛もらう方は我が身と気づく
食べ残し今日も我の胃袋にダイエットはなかなかできず
評
お子さんを見ているとつい笑顔になります。可愛いですね。「愛もらう方は我が身」と詠んでおられます。共感です。2首目、お子さんの食べ残しはいつもお母さんの胃袋の中、本当にそうですね。しっかり子育て楽しんでいらっしゃいますね。和田和子 選
ゴールデンウィーク
大分 亀川 濱田 渚
春うらら竹田の田んぼでサップする家族で競走真剣勝負
高崎の山頂立てば春霞トカゲ追う子と別府きらめく
評
親子でサップボードで競争され、ゴールデンウィークのいい思い出が出来ましたね。2首目、春霞の立つ山頂でお子さんはトカゲを追い、お母様は別府の景色を満喫されました。三浦恵美子 選
吾子の声
鹿児島 龍郷 重井 佳苗
騒音に消されし吾子の小さき声逃さぬように耳を澄ましぬ
ママと呼ぶ吾子らの声は重なりぬ吾の願望は聖徳太子
評
お子さんのどんな小さな声も騒音に消されぬよう、耳を澄ます作者です。2首目、お子さん達にママと呼びかけられる幸せな作者。お子さんの声は聞き逃したくないですよね。三浦恵美子 選
ファストシューズ
沖縄 大道 池村 綾子
初靴を選ぶ楽しみかみしめる小さな歩み風に弾んで
人形の靴かと見紛う愛らしさあんよの一歩明日へ踏み出せ
評
初めての靴を選ぶ嬉しさが伝わります。なんて可愛いちっちゃな靴、まるで見ているような気分になります、これからが楽しみですね。山口喜久子 選
二人の吾子
沖縄 城東 片山 春香
姉になり弟司愛や一歳半わたしも見てと全力で示す
ここねんね弟寝かせてつぎわたしぎゅーとしてと健気な一歳
評
お姉ちゃんになっても、まだまだママの愛がたっぷり欲しいのです。そんな幼子の健気な様子が、2首共に伝わります。山口喜久子 選
宿題を
埼玉 指扇 豊田 由佳
宿題をやりたくなくて叫びつつ二階へ逃げる小二の息子
進級し壁にぶつかり葛藤の小二の吾子へ何と励ます
評
よく心境を捉えて詠まれています。素晴らしいことです。ご自分も同じ年頃の時を思い出してみてください。貴女も乗り越えてきたのだから大丈夫です。励まそうと思わずに明るく振るまい、信じることです。多和田詩朗 選
お風呂時間
愛知 天白 鈴木ひろ美
吾子十歳シャワーの流水口にあてガオーッと叫ぶティラノ降臨
天井にシャワーの流水飛び散らせしずくを受けて子ははしゃぎおり
評
子供は水遊びが大好きですね。子供の笑い声に元気をもらいますね。牟田口智恵美 選
生後半年
大阪 高槻 石原 優
我の服を掴んで口へずり這いの子はいつの間にここに居たのか
泣いてる子抱っこし頬にキスすると舌だし笑う生後半年
評
吾子様はお母さんのすぐ側がいいのですね。そして、生後半年になられた笑顔が良く伝わってきます。これから、いつの間にと思うことが度々あることでしょう。本田文子 選
プレゼント
東京 大岡山 黒川真由美
貯金箱ひっくり返して「お兄ちゃんの誕生日に」とグミ買う小五
母の日のカーネーションに添えられた小五の娘の肩たたき券
評
お兄ちゃんの誕生日に自分のお金でグミをかう。きっと自分の誕生日も何かしらプレゼントをもらっているのではないでしょうか。母の日の肩たたき券、やさしいですね。比嘉康子 選
妻(お母さん)の誕生日
東京 倫研 嶌本 真人
娘から提案されてバンダナを二人で作り妻に手渡す
恒例の色紙に似顔絵メッセージ描く息子の成長を知る
評
娘さんと息子さん、それぞれお母さんへプレゼントを考えています。2人ともやさしい子に育ちましたね。素晴らしいです。比嘉康子 選
日傘登校
大分 滝尾 足立 祐美
ウキウキで日傘登校小一の子朝日が横から日除けにならず
発熱の六歳の吾子看病すうたた寝の吾にタオルかけくれる
評
日傘をさすだけで嬉しい1年生。陽が横から当たる様子を笑みながら見守っています。看病してくれるお母さんにタオルをかける気づかい、愛情いっぱいで育てられたお子様です。知念和美 選