ショック
東京 水元 笠原 道子
昨日も笑顔で会話お隣りさん呼べど届かぬ黄泉へ旅立つ
真夜中のサイレンの音けたたまし隣りの奥さん運ばれゆきぬ
評
昨日、笑顔で会話した方が真夜中に救急車で運ばれて、今日は亡くなられたと。情景が良く分かり、大きなショックを受けられた作者です。他人事ではありませんよね。とても上手く詠まれています。老いてなお
東京 堀切 八木 洋子
手続きの様々なことがデジタル化老いたる吾等の頭悩ます
老いてなお日々有意義に生きなむと今日も張り切り出掛ける筋トレ
評
悩みながらも有意義に生きようと前向きな作者です。何事もここで止めたら、それまでですよね。同じ一日、笑っても泣いても自分の時間ですよね。元気を貰いました。娘の運動会
東京 押上 小原 健志
徒競走負けた娘に駆け寄ってお父さんには一位と同じ
惜敗の娘の動画撮れてなく悔しさ増して最後は笑いに
評
勝負に負けた時こそ、頑張りを認めて貰った父親の言葉は、娘さんにとってこれからの原動力になりましたね。どんな時もプラスに切り替えられる作者が最高です。ダイエット
東京 三河島 飯島 邦子
ダイエットクリア出来ずに悩む日は孫の笑顔と友とのメール
久々の友との食事楽しくてついつい食べ過ぎ後悔の朝
評
分かる分かるとうなずく人が多いと思う2首です。素直に上手く詠まれています。健康にはダイエットよりストレスを溜めない生活が良いかもですね。お孫さんにお友達に外食と、もしかして幸せ太りでしょうかね。春の香り
東京 堀切 増井 愛子
手のひらで軽くたたけば香り立つ木の芽と共に楽しむ夕餉
竹の子に散らす木の芽の鮮やかさ放つ香りは春のごほうび
評
調べ良く情景が心地良く伝わり、読む度に引き込まれる2首です。穏やかに生活されている作者を感じます。久しぶりのバス旅
東京 海辺 相馬ひろみ
誘われて地区のバス旅初参加道の駅迄新緑眺む
廃校の体育館が道の駅野菜を買って帰路は合唱
評
誘われてバス旅行に初参加され、思っていた以上に発見があり、満喫された作者です。「帰路は合唱」と詠まれ、車内での楽しい様子が伝わってきます。サファイヤ婚
東京 東京高砂 小島千賀子
山で出会い夫によりそい四十五年サファイア婚は苦あり幸あり
夫からの深海色のペンダント言葉はなくても思いはつたわり来
評
結婚45年目のサファイア婚、おめでとうございます。いつもお互いを思いやるご夫婦愛を感じます。これからもお幸せに。短歌
行きつけの四十数年理髪店座ればお任せリラックスタイム
(東京 金町 今井 啓揚)
(東京 金町 今井 啓揚)
宙を舞う桜の花びら新緑の木々の間をぬうように落つ
(東京 浅草 加島 保子)
(東京 浅草 加島 保子)
さりげなく恥ずかしそうに渡す花カーネーション見て母を自覚す
(東京 湯島法人 松本富美子)
(東京 湯島法人 松本富美子)
下級生の声援を受け凛として舞える息子の眼差し鋭し
(東京 扇橋 田中 佳子)
(東京 扇橋 田中 佳子)
「よかった」が一つでもあれば一日を元気な気持で暮らしていける
(東京 小岩東 大島 明子)
(東京 小岩東 大島 明子)
幼な子が治療の母待つ待合室タブレット持ち一人で見入る
(東京 扇橋 森田 亮子)
(東京 扇橋 森田 亮子)
京都旅夫と参加のバスツアー突然の雷雨も思い出となる
(東京 湯島 安野 悦子)
(東京 湯島 安野 悦子)
嫁入りに着物仕立てに針運ぶ母の姿は今もはっきり
(東京 吾嬬 町田万知子)
(東京 吾嬬 町田万知子)
地域猫ご飯を食べに出入りする喫茶店のママ優しさあふる
(東京 深川 北村登喜子)
(東京 深川 北村登喜子)
雨が降るこのまま濡れて歩きたい心の垢を流し尽くして
(東京 梅島 安藤 光子)
(東京 梅島 安藤 光子)
サイゼリアエイアイロボが配膳す「こっちにおいで」と母は手招き
(東京 湯島法人 飯沼 元浩)
(東京 湯島法人 飯沼 元浩)
味噌だるの香りなつかし納屋の奥父母の丹精今もそのまま
(東京 湯島法人 五十嵐由人)
(東京 湯島法人 五十嵐由人)
鶴ヶ島住めば都という通り真っ赤なツツジの歓迎を得る
(東京 深川 鶴見 和夫)
(東京 深川 鶴見 和夫)
「ああ似てる」鏡に映る父母の面影深まる吾と語らう
(東京 湯島法人 冨岡 健一)
(東京 湯島法人 冨岡 健一)
サクサクと庖丁さばき心地良しキャベツの千切り香りさわやか
(東京 小岩 本山 典子)
(東京 小岩 本山 典子)
前向きな母の姿に教えられ何かあるたび背筋を伸ばす
(東京 深川 柵山 裕子)
(東京 深川 柵山 裕子)
百万石のあまたの名品鑑賞し興奮褪めぬ上野の森で
(東京 押上 小林 一雄)
(東京 押上 小林 一雄)
雨上がり微風と薄日が溶け合ってちりめんの様な川面をつくる
(東京 梅島 柳澤 舞子)
(東京 梅島 柳澤 舞子)
自転車に力を受けてむかいくる春の嵐に立ちこぎで行く
(東京 海辺 安斉三枝子)
(東京 海辺 安斉三枝子)
卓球に女子五人挑み葛藤すあと一点なのに惜くも二位に
(東京 小岩東 小池 長子)
(東京 小岩東 小池 長子)
母の日に孫より手紙子供から編んだスマホ入れのプレゼント嬉し
(東京 立石 横山 正枝)
(東京 立石 横山 正枝)
選をおえて
今月も感動の込められた作品が多く、迷う選でした。納得したり、考えさせられたり、元気を貰ったり、言葉が分からずスマホで検索したりと、勉強になり、感謝です。一人として同じ環境、同じ人生は無いのだと思いました。「歌をつくるということは、人生の美を発見することであり、これを三十一文字に歌うことである。(中略)己れの生活そのものを、作歌によってそのまま美に転じ、その妙境に常住しようとするのである」(『作歌の書』)。自分の言葉で自分の思いを短歌に詠んでまいりましょう。次回もお待ち致しております。