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9月 真砂集(神奈川・長野) 下地能子 選

9月 真砂集(神奈川・長野) 下地能子 選

同窓会

神奈川 鴨宮 堀 正

同窓会「微笑む君は誰だっけ」笑顔を返し記憶を辿る
同窓会十分後にはあの頃へタイムマシンは友の笑顔か
久しぶりの同窓生との再会の感動を率直に2首にまとめ上げられ、同感致しました。

五月

神奈川 中区 柘植みど里

青空にこいのぼり泳ぐ散歩道尾ヒレゆらして子らを励ます
花びらが舗道の上をくるくると去りゆく春を惜しむがごとく
1首目、5月の風物詩のこいのぼりをさりげなく詠まれました。2首目、普段の何気ない風景を情緒豊かに詠みあげました。

つゆ時の花

神奈川 溝の口 吉田 惠一

多摩の土手明日も咲かましと思へども一日(ひとひ)の命忘れ草咲く
つゆなれど山梔子(くちなし)の花咲きにけり甘き香りをふりまきてをり
1首目の鮮やかな忘れ草と、2首目の白いくちなしの花の対比が面白い。旧かなを使いこなす作者。素晴らしいです。

神奈川 塚越 紺野 魁

三日目に生垣剪定終りたる吾に褒美とスーパーの寿司
汗みどろ今年の五月は猛暑なり剪定ばさみを持つ手も日焼け
「猛暑日の中での生垣剪定お疲れ様でした」との奥様の愛情が伝わってきました。

虹鱒釣り

長野 長野 浅田 栄蔵

犀川の虹鱒釣りは投げ竿で大型一匹釣果を得たり
虹鱒を二枚におろしバター焼き舌鼓打ち妻と晩酌
虹鱒釣りの醍醐味が伝わってきます。奥様との晩酌が、また素晴らしいですね。

マレットゴルフ

長野 長野 酒井 直美

夫と行くマレットゴルフの河川敷カーンと飛ばす青空の下
はつらつと老いを遠ざけ生きる為二人で励む日々の体操
「マレットゴルフ」を初めて知りました。グラウンドゴルフとパターゴルフの間の子みたいな感じの比較的新しいスポーツなんですね。はつらつとした姿が目に浮かびます。

神奈川 中区 村田 里美

介護五の認定受けた母思うこれから先もこのままでいてね
母の日のカーネーションを依頼する喜ぶ顔を思い浮かべて
「要介護五」でしたら殆ど寝たきりなのでしょうか? これまでのお母様のご苦労を労う作者の優しさが滲み出ています。

神奈川 みどり 宮井ヱイ子

庭の木々花舞い鳥鳴き暖かく待ってましたと枝葉を伸ばす
暖かな日ざしを浴びて庭の木々枝葉を伸ばし春を喜ぶ
生き生きとした春の木々の様子を擬人法にて明るく表現されました。

新緑

神奈川 みどり 山岸 佳子

新緑と鳥のさえずる中に居(お)り心優しい人になれそう
たくましく芽吹く力の新緑に明日への希望と活力もらう
1首目に同感致しました。2首共に新緑の芽吹きと鳥のさえずりの大自然を満喫する春の情景をさりげなく詠いあげました。

短歌

新緑の若葉がそよぐ伊那谷は輝くパレット残雪の中
(長野 飯田 前沢 綾子)
山肌に雲陰落とし移りゆく春の山並み萌黄にゆれる
(長野 長野 酒井 勇)
雨上りすずらんの葉は陽に光り楚々と咲く花守るが如し
(神奈川 鵠沼 長谷川美樹)
今の世はスマホかざせば「キンラン」と教えてくれるメカの凄さよ
(神奈川 みどり 永田 清秀)
しとしとと恵みの雨や春の雨穀物育て我等も癒やす
(神奈川 海老名 星 貞子)
かわたれの小鳥の囀り目が覚める今日も一日よいことありそう
(神奈川 南足柄 茂原 和代)
スマホには夫の歌声残ってるカラオケ仲間と楽しい姿
(神奈川 三春 杉山喜久江)
さくさくと庖丁の音聞きながら朝寝するのは至福と夫言う
(神奈川 塚越 海老澤文子)
一輪の真っ赤なバラはリビングに甘く優雅に香り漂う
(神奈川 海老名 黒川愉美子)
風澄みてウグイスの声聴きながら飯岡漁港の日の出を拝む
(神奈川 海老名 山本 通晴)
「いつ迄も笑顔の母で」と子らの言ううれしき言葉心ふくらむ
(神奈川 鴨宮 立石 幸栄)
初めての「短歌セミナー」にぎわいて男子学生主役となれり
(神奈川 相模原みなみ 小菅 博文)
お迎えに弾ける笑顔で駆けてくる「頑張ったね」と孫を抱きしむ
(神奈川 都筑区 小林 幸子)
新しく歩く用意は出来たものの今朝の天気は靴濡らす雨
(神奈川 光が丘 枝松 カツ)
ようやくに実りし杏五つだけ仏前に供え夫に報告
(神奈川 三春 寺田美佐惠)
庭隈の光とぼしき木の下のクリスマスローズそっと咲きおり
(神奈川 みどり 永田イツ子)
なつかしき短歌を見ると思い出す卒業式の娘の凛々しさ
(神奈川 みどり 月岡 珠子)
亡き叔母の部屋にあるある手作りのキルトの袋百枚以上
(長野 飯田 麦島千寿子)
食べられる雑草を友は調理して食糧難に今から備う
(長野 長野 木島やす子)
ふる里の香り乗せたる竹の子を近所に配り笑顔分け合う
(長野 長野 早澤 文子)
逝きし友思えば話しかけたくてスマホ開いてじっと眺めむ
(神奈川 溝の口 宇佐美弓栄)
四季の里あの散策の田圃今水張り光り早苗植うる頃
(神奈川 溝の口 鈴木 育子)
音はなく静寂の中降る雨を人影もなき窓辺で眺む
(神奈川 鴨宮 岩本 幸江)
五月晴れうなぎ上りの温度計真夏日越えて猛暑日となる
(長野 飯田 市瀬 公男)
庭の草よく伸び取ろう少しづつ腰痛出ぬうち夏の来ぬうち
(神奈川 鴨宮 真壁 春子)
男湯の外池の淵寄りゆけば緋鯉真鯉の群がる五月
(神奈川 三春 本田 春美)
孫と行く初の秋津書道では気になり我は全く書けず
(神奈川 相模原みなみ 石井 正一)

選をおえて

今月は昇格者が多くおられたのでしょうか? 投稿者が増えて嬉しく思いました。時節柄、春の喜びのお歌が目立ちました。大型台風9号の接近の中、選をさせて頂いております。久しぶりの大型台風接近で、庭の紫陽花やトレニア・インパチェンス・カランコエ・キリン草などの花や菊の苗木等、鉢物の室内移動に追われましたが、子や孫に手伝ってもらい、無事に避難出来ました。あとは部屋で台風の過ぎるのを待ちながら、最後の選となる皆様からの来月のお歌を楽しみにお待ちしております。ありがとうございました。