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9月 真砂集(宮崎・鹿児島) 土木正美 選

9月 真砂集(宮崎・鹿児島) 土木正美 選

孫はすごい

鹿児島 帖佐 和田 尚美

孫達のすなおな短歌うらやまし締切りせまりて孫に相談
孫曰く出てきた言葉並べたら短歌はすぐよかんたんかんたん
お孫さんに短歌を相談される作者もすごいですが、そのお孫さんの言葉がまた素晴らしいです。やっぱり「すなお」に詠むことなのですね。

国寿の短歌仲間

宮崎 志比田 末廣 孝史

国寿なる短歌の仲間は今日(こんにち)も元気ハツラツ人生謳歌
「さあやるぞ」今年も時期となりたればタケノコを掘る国寿の翁
92歳となられて尚、矍鑠とされている翁、私達のお仲間とは嬉しい限りです。筍掘りをされるとは。「国寿」とは、「92」と「くに」の語呂合わせからきている長寿のお祝いです。

手作り

宮崎 志比田 原田惠津子

遠く住む娘の手作り佃煮は天下一品箸が止まらぬ
御殿場の「ふき」で作りし佃煮は宅急便で届く子の心
娘さんが「きゃらぶき」を作って送ってくださるとは、素晴らしいです。お母さんが作って、娘さん達にとはよく聞きますが。やはり、心をいただくのですね。

亡き兄

鹿児島 田崎 繁昌ヨシ子

穏やかな春風の吹く端午の日兄は静かにこの世を旅立つ
話せない脳梗塞の後遺症に悩みし七年耐えて兄逝く
仲のよいご兄妹だったのですね。もどかしい思いを抱えておられたお兄様。すべてから解放されて、心穏やかに作者を見守っておられることでしょう。

マラソンに挑む女孫

鹿児島 鹿屋寿 合田 桂子

初参加「東京マラソン」に挑む孫メダル掲げて感動とまらず
百キロの「富士五湖マラソン過酷なの」挑む女孫はガッツで完走す
マラソンはまず完走するのが目標ですが、100キロ完走は素晴らしいです。挑む意欲が最高です。この先、何にでも果敢に挑戦していかれることでしょう。

夫と

鹿児島 真方 鮫島 明美

しきなみの定期昇格吾ひとり急逝の夫と連名無くて
急逝の夫と始めし歌づくり貴方の感性吾にください
ご主人様と一緒に始められた短歌づくり。ずっと一緒に昇格を夢見ておられたことは、残念ながら叶いませんでしたが、あちらから感性を送ってくださるかもしれませんよ。

夏草

宮崎 小林 小倉 幸生

伸びてゆく夏草の群れ圧倒しヒートアップす老体の吾
雨上がり草むしりだす老体にムチ打ち挑む五月の庭よ
日に日に伸びてゆく夏草にヒートアップするとは驚きです。草むしりもやりだすときりがなくなりますが、身体と相談しながらほどほどに。

短歌

豊かさは権力栄華物で無く安寧の日々分かち合う時
(鹿児島 真方 鄭 淑惠)
介護する息子夫婦に礼出せば健康なことそれが礼と言う
(宮崎 志比田 長友 喜八)
幻覚に涙を流す母の背を驚きつつもゆっくりさする
(鹿児島 田崎 坂元真智子)
台風は怖いけれども慣れっこと強がりを言う母思う夜
(鹿児島 龍郷 髙梨 美幸)
母の日にママの好物探さんと魚売り場で悩む孫あり
(宮崎 延岡北 首藤 競子)
ひっそりと棚の奥の夫婦茶わん二人お揃い笑顔の彼の日
(鹿児島 南さつま 中野 重子)
推敲の末に掴んだ宝石のような一語を「よっしゃ」と握る
(鹿児島 霧島 眞泉 和久)
生前に「短歌しないか」と母は言った言われた時にやれば良かった
(鹿児島 武岡ハイランド 松山みどり)
登録なき電話番号無視されて家を訪ねて連絡を取る
(宮崎 志比田 山下スナ子)
昨夜まで息を潜めたブルーベリー朝日を合図に一気に満開
(鹿児島 西伊敷 鮫島 美保)
荒れ果てた畑の中に木苺の真白き花の群れて咲きたり
(鹿児島 湯之里 黒岩 順子)
さ庭辺にどくだみ草は蔓延って真白き花は一面に咲く
(鹿児島 真方 福島 節子)
紫陽花を絵手紙にして友に送るうれしいラインに「又描きますね」
(鹿児島 鹿屋寿 前ヶ迫サヱ子)
さわやかな風に誘われ草むしり畑(はた)でビワもぎ水分補給
(鹿児島 西伊敷 上宮田京子)
若い時歯科助手の妻喜寿迎え時々歯科へ不満話す
(宮崎 国富 吉田 高夫)
女子会で「堤真一ステキよね」前期高齢否まだ乙女
(鹿児島 郡元 北側 孝子)
大花火余韻を残し消えてゆく心にきざむ夢色世界
(鹿児島 東谷山 濵園 貞子)
年輪を重ねてたまに夢を見る登場の吾イガグリ頭
(宮崎 串間 中所 諭)
開店の「セリア」であれこれ買い物す「たかが百均されど百均」
(鹿児島 川内 古薗千代子)
雛つばめ大口開けて餌もらう鳴きも賑やか競い合う声
(宮崎 小林 服部きよ子)

選をおえて

今月は定期昇格がありましたが、人数はほぼ変わりませんでした。昇格された皆様、おめでとうございます。一首採りたいと思いつつ諦めた方も含め、昇格された半数以上の方が選に入っています。「昇格」ということで意気込みが違ってくるのでしょうか。この10月号からデジタル配信になりますが、これを読んでいる方は、当然スマートフォンで読まれていますよね。これからよろしくお願いします。