久々の川崎大師
神奈川 登戸 小野多賀代
リズミカルにたん切り飴をきざむ音痛む足忘る川崎大師
杖つきて久々仰ぐ門前の大提灯や川崎大師
土産にと川崎大師のくず餅や二箱なれど骨身にこたう
寛永寺・テレビ撮影
東京 倫研 岡田 進
「良純と孝太郎」二人が訪いぬテレビ撮影の青葉の寛永寺
日本一の龍の天上絵を見上げたる「二人」は黙しじっと見つめる
遠くよりテレビ撮影見守りぬ老いたる我もミーハーとなる
みたびパンチくん
東京 倫研 北奥 明彦
ゆく春の市川市動植物園晴れた日は散水がサル山濡らす
サル山を囲む外国人の話し声「パンチ・パンチ」と呼ばふが聞ゆ
サル山にパンチの姿見当たらねばオランウータンのケージに向かふ
○
東京 吾嬬 小山美智子
雪被く三峰(みつみね)眼を引く岩木山姿やさしく空に映るも
広々とつづく田畑を抱くように裾長く曳く岩木山かも
身に響く津軽三味線強き音(ね)の聴きいてやがて淋しさ滲み来
満員
東京 海辺 山下 勉
両横綱休場となるも連日の「満員御礼」国技なればか
史上初オークス制覇の女性騎手満員のスタンドに手を振りて笑む
リハビリ待つ整形外科の土曜午前患者混み合い座る席無し
歓談
福岡 中央 佐々木タカネ
三年ぶり四人の友と歓談にみやげ交換吾は新茶を
歓談に友の一人は千葉からも蛤貰う九十九里産を
出会いしは十三の春東京の同窓会は幾年ぶりや
五十年経
東京 猿江 木村 英世
今在るを君と笑み合い五十年経蘇りくる乾杯の音
帰宅する手を振る妻の手を握り玄関に入る笑み交わしつつ
夕づきて二人歩める浅草は雨上がり初め空の清けし
師のお言葉
宮城 仙台 内田 信子
急ぐなの師のお言葉に老いたれば朗らほがらと自然におまかせ
先の事は心配するな自閉症の孫の行く末親なき後を
日に幾度(いくたび)師のお言葉を口にして今日も安らか信成万事
免許返納
秋田 秋田北 小松 富生
免許証五十年間持ちつづけ九十五歳で返納をする
倅(せがれ)来て免許返納すすめたり老いては子等に従えと言う
免許証返納吾は一大事九十五歳うべなうべきも
一人旅
東京 錦糸町 野田 知江
はじめての一人旅せり沖縄へ孫娘帰る面輝やかせ
おみやげのサーターアンダギー持ちて一人旅の孫まず寄りくれる
いつまでもつい思い出す生れし時七百グラム孫二十三歳
吊り下げられて
埼玉 浦和中央 丸本 玉代
電柱の足場ボルトに自転車は吊り下げられて雨の降り次ぐ
電柱へ誰れが宙吊りにしたのやらステップボルトの自転車哀れ
目をつむり午後の電車の吊り革に吊り下げられて歌会へ行く
新年
神奈川 三春 山﨑 敏子
新年の顔合わせにも「待ってました」とばかり話ははずむ孫子らと
賑やかにおしゃべり続く孫子らも料理並べば無口となりぬ
「生」のカニ料理となれば孫たちは急に黙って笑顔も消える
春のほがい
静岡 三島西 坂井 則子
「人類の幸願う」とう師の御墓拭き清めたり「春のほがい」に
ご墓所より裏地に祀らる物故者の墓誌に夫の名探しなぞるも
打ちたての深大寺ソバに舌づつみ友らとすするご墓所帰りに
匂い立つなり
埼玉 宮町 金丸由美子
ゆっさゆっさミモザの花が揺れている三月八日よ励まされてる
柔々と柿の若芽の萌えいでて桜とコラボす朝の境内
柿の木にサァーと風の吹いてきて若葉がさぁーと匂い立つなり
九十一歳
大阪 平野宮町 西田和佳子
煽(おだ)てればその気にもなり辛ければ死にたくもなる夫は冷笑
浄瑠璃寺三度目果さず逝きし夫吉祥天女と然(さ)も嬉しげに
咳とたん今迄になき症状死に設(もう)けかな死に土産かな
サムライブルー
東京 小金井 稲田 雅子
梅雨の花アジサイさ庭に群れ群れてサムライブルーに負けず明るむ
仏花にも色とりどりの紫陽花なり秘めたる力散華を知らず
珠形に整い深まる群青色昼餉の卓に主役のごとく
入院の夫
大分 大分中央 佐藤 利江
入院の夫は面会楽しみに笑顔のよろし娘と会話
入院の夫と面会十分間力の強し帰りの握手
入院の夫の好物桃を食み一人は淋し昼の食卓
雨の吟行会(1)
東京 倫研 中村 正生
雨の中サムエド二匹飼い主ゆ離れずにおりリード付けぬも
傘を打つ雨音清(すが)し公園の木々と対話す静けさのうち
池の辺のもみじは雨を受けようとするかのごとく幹を反らしぬ
梅雨の日
神奈川 都筑区 宮本 邦子
梅雨明けを待ちて開かる両国の花火の音がなぜか懐かし
夕暮れは流れの早き隅田川学校帰りの友と語りき
梅雨の夜の明くるを待ちて臨書する限りある日をふと思いつつ
○
鹿児島 東谷山 加藤 宏子
AIに頼りっきりの短歌なり花の名前に正しい漢字
AIの主役になりていつの間にか『広辞苑』との縁うすくなり
高齢の女性の悩み相談はAI頼りの断トツらしい
晩春
茨城 大貫 吉川 和
夕凪の沖にかもめの群れなして漁場のような忙しい光景
夕凪の海帯状のかもめ群れ戦場映画あたまを過る
曇天に晴れ間が欲しい昼近く杉の花粉の飛ぶも又よし
バラ屋敷
熊本 帯山 井上ヤエ子
家々が立並ぶなか庭一面バラ咲き群れるバラの屋敷よ
生け垣も色とりどりのバラの花バラに見とれて立ち止まる人
澄む空に咲き群れるバラの美しさ心に残るバラの屋敷が
永らえて
東京 要町 歌 政子
老いるとはかくなるものかうら淋しされどたゆまず生きてゆかなと
老いて知る人の心の「裏」「表」されど人生生きてゆかなと
永らえ来生きゆく日々のうら悲しされどたゆまず生きてゆかなと
おおでまり
静岡 御前崎 松田 報
妻の呼ぶおおでまりの花咲きそめて浅みどりなり庭の片隅
殊の外妻愛おしむおおでまり咲きそむる色の薄い萌黄に
真っ白に浅みどりから色かえておおでまりの花庭に耀う
晩年である
宮城 石巻 相澤 郁子
若さゆえ平気で無茶をしたものと二人ニンマリ今更ながら
あの失敗この後悔ゆえ友が増え彩り豊かに晩年である
太平洋を渡りし夫とこの地しか知らぬ我とのご縁は続く
若葉の風
高知 福井 岡林 道
母の日に届きしサンダル初デビュー若葉滴る吟行会に
母の日に届きし紅茶とクッキーで若葉風吹く庭に憩えり
食品の値上げに悲鳴上げつつも若葉と風のハミングを聞く
豹紋蝶
愛知 尾西 泉 富子
パンジーをもりもり食べる毛虫たち黒のボディに橙の点
むくむくと太りし幼虫食を止め蛹になりて深く眠れる
日の昇り静かに羽化せし蝶の翅いまだ開かずゆらゆらゆれる
思案あれこれ
埼玉 柿沼 清水 慧子
メンテナンスの済みし我が家に降りそそぐ安らぎ覚ゆる日の薄暑光
畑仕事に話の弾む夏木立八十路をまとう思案あれこれ
移植した落花生には慈雨となる天気予報は晴れとありしも
ツルニチソウ
大分 大分中央 對馬 葉子
見えるのは視界の限りの山脈やみどりの山稜小雨に烟る
ツルニチソウ駐車場へと這い出しぬ車は容赦なし危ないよ
晴れ渡る下界に日差し隔てぬも人住む世界何故生き難し
靴
愛知 天白 小手川文子
入社式終えて帰省の孫が脱ぐ靴を揃える健やかであれ
巻き爪の治りて選ぶ靴の色生成弁柄(きなりべんがら)はた銀鼠(ぎんねず)か
藷(いも)苗を植えんと夫が長靴に三畝耕す慈雨を待ちつつ
賀茂真淵
静岡 清水 白井 俊雄
浜松の吟行会は賀茂真淵記念館にてなごむ歌会
「なにはつにさくやこのはなふゆごもり」真淵が弟子に文字おしえしとう
「いろは」より「あいうえお」にて万葉の研究すすめし賀茂真淵は
ダイヤモンド婚
群馬 赤生田 高橋千恵子
六十年過ぎ越し日々の溢󠄀れくる子等の祝いのダイヤモンド婚
あかね雲ひとひら流るる丘の上帰省せし子とひさびさの墓参
わが母が子等と植えたる枇杷の実は今年も熟れて我(わ)を喜ばす
金沢支苑・吟行会
長野 長野 平栗美保子
「桜貝」その名通りの薔薇の花立ち去り難き品のよき花
ほどけゆくピンクの薔薇の高貴さに吾は釘付け「クイーンエリザベス」
見蕩(と)れつつシャッターを押す二分咲きの乙女の如き「フレンチレース」
佗しい
兵庫 志んぐ 本窪田嘉子
孤食など思いもしない二カ月目夫の入院佗し家なか
独り居の家なかなんと佗しいの夫の入院で知る味気なさ
新婚の孫娘からの宅急便高鳴る気持ちおさえ紐をとく
○
広島 三篠 吉村加津代
テレビの八島湿原二センチにもみたない蝶の羽模様美し
ヒョウモン蝶地域の宝と里人の飼育に羽化しにぎわう里よ
塀沿いのくちなしの花咲きほこり甘き香ただよいいと心地よし
心の整理
神奈川 鵠沼 石井 清水
捨て難き品の数々処分するもったいないの思を消して
思い切るいつか使うと溜めし品買取業者のそつなき対応
バザーへと仕分けし品を届けたりどなたか使ってくれると嬉し
ドクダミ
東京 倫研 甲斐 靖幸
ドクダミの数多咲きおりよく見れば白地に仏の座しているよう
ドクダミの花は縁起の良いものぞ白い四つ葉のクローバーなり
ドクダミの白所々直ぐ黄ばむこの世の穢れその身に受くか
サッカーワールドカップ
東京 大森 大村みよ子
二〇二六「オランダ」「日本」の第一戦強豪チームを引き分けに収む
W杯粉争のなきスポーツ力(りょく)平和の維持を願い観戦
長らえて居ながらに日び地球上の出来ごと捉えた瞬間を知る
出石の旅
兵庫 川西 福井 順子
コミユニテイの日帰り旅行は出石の町五年前に夫と来にけり
近畿での一番古い芝居小屋奈落の底といふに降り立つ
鸛(かうのとり)に出会ふは幸せになれるとか夫逝かしめて何の仕合せ
大運動会
宮城 石巻 相澤 忠勝
来春に閉校となる我が母校大運動会は地域総出で
なつかしいジンタのリズムで徒競走楽隊の音に村がひとつに
運動会ジンタのリズムが軽やかに田んぼに響く農民楽隊
梅雨
静岡 御殿場西 勝亦りつ子
梅雨寒にとまどうバラの二分咲きがゆるまず覗かす僅かな緋色
梅雨寒にこもれば種々(くさぐさ)気がかりに挿し木の山茶花根付けるかなや
生いたちが物の乏しき戦後なら智恵と工夫に自負を持ちたる
おもむきの里
鹿児島 東谷山 中村砂喜子
唐人の港と栄えたふる里の青の海原ゆるり波打つ
アコウの木葉脈を透かし初夏を告ぐ変ること無い里の安らぎ
深浦に列なる船に寄する波友と遊んだ遠い日重ぬ
夕影
熊本 北の丸 西郡美代子
雨上がりローカル線の汽車の窓夕影まぶしパノラマ拡ごる
不知火海夕空晴れて波きらら陽の影夫のほほ赤らめる
夕影の汽車の窓映えあやしくも天女の光やみまがう程に
姉妹
徳島 上八万 松島 慶子
久に会う米寿の姉は段上る吾の手をぎゅっと引っ張りくれる
姉に手をひかれる我を息子見てどっちが姉かと苦笑いする
梅雨晴れ間車で急ぎ産直へ万緑(ばんりょく)の山鳴くほととぎす
三回忌
東京 三軒茶屋 梶原喜久子
夫逝きて二年の過ぎるこの頃は猶も寂しさ募り来るなり
生前の夫にわがままし放題青い鳥追いし拙き我は
失いし日々は益々輝きて己責めるも虚しさあるのみ
梅雨の晴れ間に
埼玉 領家 手代木みつい
「新秋津」駅前の空旋回しつばめの群れは子育て真っ盛り
清すがと朝の木洩れ陽若葉道姿見えねど山鳩の声
デジタル化慣れぬ横文字意味さえも理解せぬまま丸飲みにする
六月に入る
神奈川 渕野辺 佐久間美和子
朝六時水遣り忘れぬ夫卒寿応える様に咲き継ぐ花ら
形良き夫剪定の金木犀に飛び来る鳩は朝餉の人気
猫もいて何とも嬉しき我が家の日溜り優し六月に入る
三内丸山遺跡
東京 京葉 仁戸 共代
縄文をルーツと述べし「新世言」早速に訪う三内丸山
軽やかに数人が鳴らす熊鈴に「皆で歩けば大丈夫」とう
六本の巨大な柱は栗の木で広大なムラに小さく見える
夫とふたり
茨城 那珂 郡司 自子
手を握りただありがとうの言葉のみ夫と二人だけの病室
父と叔父に導かれながら逝きたるか二十七日三人同じ日
お前だけ居れば良いよと言うように子等を待たずに夫は逝きたり
検査入院
埼玉 宮町 佐川 慶子
さ庭辺に真盛る花を惜しみつつ子に送られる入院の朝
ステロイド筋痛症と馴染み無い言葉を探すスマホの中に
孫のよな作業療法士の押すツボに負けてなるかと堪(こら)える痛み
絵本
熊本 宇留毛 田中美枝子
子育ての頃の思い出詰め込みし古き絵本の背表紙眺む
本棚に手垢のついた絵本たち手に取れば子等の笑顔が浮かぶ
幼な児の目の輝きを思い出す読み聞かせした絵本の数々
梅雨寒
大分 亀川 龍原イホ子
巣離れをしたばかりらし小雀の植込みにいる梅雨寒の午後
濡れそぼりふくれて飛べぬ小雀を見るにしのびず手立てはなきか
水に解き雀逃げるな飯(いい)を撒き山の庵(いおり)の一茶の心境
春風
埼玉 鶴ヶ島 島田ひろ子
花粉症おさまる今日の朝さんぽ頬を撫でゆく春風やさし
寒風に晒されて来し絹さやの小さき苗に春陽あまねく
梅の木の剪定始めて気付いたら丸坊主なり我家の庭は
ウィーン少年合唱団
東京 武蔵小山 勝川 和子
紫陽花を五鉢ほど育て水無月は花咲き彩り庭先にぎわう
母の日に子からチケットプレゼントウィーン少年合唱団観る
透き徹る歌声響く少年らの天使と想え心ワクワク
伊豆大島ツアー
千葉 北条 草刈 董
霧雨にけぶる大島巡るバス椿の花のトンネルを行く
三原山スカイラインのいろは坂眼下にのぞむ箱庭の家
山肌を削りし道路の切岸に地層波打つ大壁画見つ
○
静岡 小山 森本 公子
朝十時陽の照る中を散歩する杖つく夫は富士を見上げる
梅雨に入り風に揺れいる田の稲は株も太くて青き初夏の雅
小道ゆけば数多桑の実のぞきいて共に食みたる友懐かしむ
生きがいづくり
沖縄 玉城 新垣 秋子
朝夕の庭の手入れを日課とす待ちかねるごと数多のつぼみ
季(とき)めぐり数多の花は庭に満つ眺めて癒す生きがいづくり
五年ぶり友との出会い胸おどる語りつきない時も忘れる
ウォーキング
鹿児島 帖佐 西堂路禮子
血圧を下げる薬を飲むよりも運動をして下げるを決意
ウォーキング始めて二十日体慣れ足の運びの軽やかになる
澄み渡る空気ひんやり朝の風梅雨の晴れ間の散歩のひととき
白鷺
大分 鶴望 坪根 幸子
白鷺は川の流れに逆らいて一点見つめ微動だにせぬ
大雨の降りて二日後川の中水草倒され白鷺いずこへ
白鷺を見かけし川に青鷺も一点見つめ動かず焦らず
亡姉との思い出
京都 鳳凰 馬場 泰子
ホタル飛ぶ季節になりて甦る幼き頃の姉との思い出
薄暮より姉と小川でホタル捕る夜には蚊帳に放ちて楽しむ
蚊帳の中放つホタルの光の中でいつしか眠る姉との思い出
春を待つ
神奈川 青葉区 加藤トミ子
八十路過ぎ生き甲斐求め書の道へ若きに交じりいそいそ学ぶ
春の香の自然のめぐみ蕗のとうほろ苦き味今年も味わう
開花待つ靖国神社の標本木今日か明日かと予報士惑わす
感謝
岐阜 長良 古山 洋子
十名で指折り数えはじめた短歌私の歴史は満ちてゆくかも
春先の出前授業の女子児童私の心に深く綴れり
長いことアッシー君のありてこそ夫の笑顔に感謝の尽きぬ
『しきなみ』誌
大阪 寝屋川 木村 香澄
デジタル化されると聞きし『しきなみ』誌友はやめると悲痛な言葉
『しきなみ』誌長きに渡り読み続け来しこれからのやり方聞かん
四十年余(よととせよ)友と学び来し『しきなみ』誌支えくれし日々脳裏を過る
短歌は心の財
沖縄 大道 米吉 正子
短歌に出合い三十年余の時の過ぎ歌どち多く心の財に
今日も行く所のありていそいそと支苑歌会へ支度ととのう
ちよろずの歌は愛しの我が子なりどの子の育ちも見守りゆかん
調布庭園
福岡 中央 福田 豊美
歌会を調布庭園に五百回鳩一斉に祝うがに飛ぶ
ま白なるはずと眺むる床の間に祝ぐごと赤きはまゆうの花
うす桃の睡蓮浮かぶ池の面しばし佇むモネの絵に似て
伊勢神宮
大阪 今川 法月 和惠
念願の伊勢神宮へ古札を納め新札心晴れ晴れ
宇治橋を渡りてさくさくと砂利道の向かう内宮心は澄みて
参拝後おかげ横丁にぎわいて名物店の「てこね寿し」うまし
カッコウ
宮城 大崎 佐藤実佐子
早朝の町内に響くカッコウの鳴き声清やかに今日の始まり
カッコウの鳴き声聞きつ洗濯物干す手も軽く心も軽やか
カッコウの鳴き声聞けば夏来たりと心が弾む幼なの頃より
春
長野 作久平 井出 洋子
歯ぎれよし旨きものあり野のあかざ茹でて御浸し知る人ぞ知る
新居にもミントの香り移したく梅雨入りの季に数本植える
七回忌終えてみ空を見上げれば夫の姿か鷹の旋回
川辺
佐賀 日の出 小栁セイ子
吾の膝の痛み癒さむと息子夫婦筑後川辺の湯宿に誘う
借景に耳納連山望みおり筑紫次郎は悠然と流る
久し振り息子夫婦とドライブに膝の痛みも少し癒えしや
台風
鹿児島 龍郷 鼎 幸子
台風と聞くも慌てず戸締りを独り居なれど籠り一夜を
台風にユサユサ揺れるも倒れずに今も健在里のわが家
台風で停電なるもランプの灯囲み賑わう懐かしき日日