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vol.26 叔母との久しぶりの再会

vol.26 叔母との久しぶりの再会

倫理研究所研究員 宮内秀樹

 倫理法人会の各行事の出張中に会員の方から、両親との関係性を良くするために、もしくは親が亡くなっている場合でも絆を深めるためには、どうしたらよいのかと尋ねられることがあります。
 会員のAさんは、すでにご両親が他界されています。ある時「両親が亡くなってから、親不孝のお詫びとして1日も欠かさず仏壇に手を合わせ、定期的に墓参もしていますが心が晴れません。“親と心が繋がった”と思えるようになるには、どのような実践をすればいいですか」と相談してきました。
 私は「毎日仏壇に手を合わせて、墓参もしているのですから、ご両親もさぞ喜ばれていますよ」と伝えました。それでもAさんは「さらに感謝を深める実践を教えてください」と言います。そこで私は親への恩意識を高める次の5つの実践を提示しました。

①父母の思いを自覚する
②親を大切にする
③親を安心させる
④自分を大切にする
⑤家族間の記念日を大切にする

 そして最後には「故人の場合でも、生前と同じように思いを馳せ、恩意識を高めることで絆がさらに強くなります」と伝えました。
 相談を受けたのを契機に〈私も他界した父と母により一層感謝し、心を繋げるために日常の実践を改めよう〉と強く考えるようになりました。その矢先、実践を改めるうえで必要なことが、タイミング良く彼方(かなた)から押し寄せてきたのです。

 

家族の絆は必ずよみがえる

 ある日、亡き父の末の妹である83歳の叔母から数十年ぶりに電話がかかってきました。遠方に住んでいることから長い間疎遠になっていたのですが、「久しぶりに会いに来ない、一緒にゴルフでもしましょうよ」と嬉しい誘いがあったのです。その数日後、叔母は私と同い年の甥っ子にも連絡を取り、日程調整をして3人での初ラウンドが実現したのです。
 ラウンド中に叔母は私の幼少の頃の思い出話をたくさん語ってくれました。また、我が両親とのエピソードも嬉しそうに話してくれたのです。
 その後、叔母からの提案でゴルフコンペを年間2回、春と秋に行なうことになりました。「いとこ会」と銘打ったこのコンペは2年間も続いています。
 5時間ほどのラウンド中は、プレーをしながら会話が弾みます。ある時はコースを一緒に歩きながら、叔母は「あなたのお父さんとお母さんが鋼材関係の会社を起業した頃、私はそこに住み込みで仕事のイロハを教わったの。私と夫で起業した家電販売会社を第2代社長になった息子に引き継げたのも、あなたのお父さんのおかげよ」と言いました。
 それは両親から聞かされたことのない話だったので、驚くと同時に兄妹想いの父や、家族を支えた母への尊敬の念を深める貴重な機会にもなりました。
 私と叔母との再会からはじまった「いとこ会」がきっかけで、祖父や祖母の墓参りをいとこたち全員に呼びかけるようになり、親戚付き合いも再開されました。今では、集まった親戚たちから「こうした楽しい集まりは、ぜひ継続していこう!」という嬉しい声も上がるようになりました。
 我が両親のことを知っていて、二人のエピソードを語ってくれる存在のおかげで父と母への感謝をより深めることができました。加えて、周囲は自分の心を映すがごとく変わっていくのだと気づきました。
 今後も叔母やその他(ほか)の親戚とも仲良くし、心温まる思い出を語り合うことが両親を喜ばすことに繫がると信じて、家族と心を合わせて歩んでまいります。