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9月 群蛍集(福岡・佐賀・長崎) 振屋小百合 選
初夏の訪れ 福岡 香椎 井本登起子 湯気立てる鍋に放てば立ち上がる山椒の実や初夏の香放つ 指先を緑に染めて摘みし実の山椒の香りや初夏の訪れ 評 「山椒は小粒でぴりりと辛い」山椒の実や若葉は日本料理に確固たるアクセントを残してくれます。その香りに初夏を感じる作者。調べよく、2首に纏…
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9月 群蛍集(熊本) 矢口裕司 選
白内障と緑内障の友 熊本 合志 山口 静子 「世の中が輝き見える」白内障オペの終えたる友の言葉は 吾の顔鼻より下は影なりと緑内障の友目薬をさす 評 ご友人のそれぞれの状況をしっかりと捉え、短歌にされています。2首目、緑内障のご友人の状況が安定することを願います。 兄の訪問 熊本 …
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9月 群蛍集(大分・宮崎) 知念和美 選
○ 大分 鶴望 管 久美子 入院の夫に聞かせるウグイスの鳴き声さやかスマホに録音 面会を待つ夫思い自転車で息もたえだえ坂道のぼる 評 ご主人への想いが伝わります。ウグイスの声、一緒に聞きたくて録音されました。又、早く会いたいと坂道も必死。早く退院できるといいですね。 姑 大分 大…
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9月 群蛍集(鹿児島) 永谷美代子 選
○ 鹿児島 東谷山 野間口信子 若い頃指折り待った母の日も九十過ぎて忘れてました 人生も九十過ぎたら何のその気楽な暮らし我がまま気まま 評 何よりも、2首目の「九十過ぎたら何のその」に惹かれました。「開き直る」でもなく、「力強さ」というほどでもなく、しなやかな感じでしょうか。そし…
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9月 群蛍集(沖縄) 甲斐靖幸 選
成長 沖縄 具志川 國場 広美 不登校乗りこえ吾子は支援クラス笑顔で手を振り吾を見送る 不登校乗りこえ吾子は食も増し細き身体が大きくなりて 評 本当に良かったです。きっと作者の実践が実ったのでしょう。お子さんにとっても、この経験が今後の人生にきっと役立つことと思います。 しきなみ…
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9月 白光集(東京・千葉) 西郡美代子 選
夫の手 米国 南カリフォルニア 梅本 和子 夫の手がそっと吾の手に触れる時平素見せない優しさの見ゆ 夫の手に支えられつつ散歩する心安らぐこの一時は 評 日頃の夫と違う心の通う優しさとあたたかさがチラチラリ。安心と幸せな2人の散歩です。 母 東京 倫研 小林 宜子 帰り際「また来て…
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9月 白光集(東部・東海) 仁戸共代 選
デジタル入力 愛知 野田 稲生 満子 初めてのデジタル入力体験す「ハイそこ押して」に指の固まる 八十路かと思える隣人躊躇なくスマホの画面スルスルと変え 評 デジタル創生に向けた説明会では、詳しく手順を教えてくれます。慣れないことはドキドキしますね。友人はスマホの扱いが上手で感心さ…
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9月 白光集(中部・西部) 相澤郁子 選
夫亡き四年目 鹿児島 長里 元吉まき子 好物の最期の西瓜をすすったらし側に居たかったな夫亡き四年目 三歳の孫のやんちゃな可愛さを見せたかったな夫亡き四年目 評 ご主人は好物の西瓜を食べた後に、最期を迎えられたのでしょうか。その場に居合せなかった作者に後悔が残っているようです。可愛…
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9月 飛雲集(東東京) 富山明美 選
どくだみ 東京 湯島法人 田代 昌代 どくだみの花でチンキを作る友吾も見習い花を摘む午後 竹秋翁のどくだみ愛す歌読みてそのまなざしに優しさ教わる 評 古くから薬草として重宝されるどくだみです。殺菌・抗菌効果もあり、チンキにして虫除け・かゆみ止めにする人もいます。竹秋翁も愛されたど…
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9月 飛雲集(西東京・海外) 森井清美 選
バラ苑 東京 小金井 田中 俊六 何色のバラが好きかと聞く君に「樺色」と答えた学生の時 バラの香を顔を近づけ嗅ぐ君の頭を押した若き想いで 評 バラを愛でながら青春時代を回想する作者。「樺色」の表現がセピア色になりゆく思い出とマッチしていて、歌を魅力的にしています。 母を念う 東京…
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9月 飛雲集(埼玉・千葉) 仲宗根里枝 選
妻の一言 千葉 郡本 知野 忠紀 ゴミ出して戻れば妻の「ありがとう」氷雨降る朝嬉しい一言 何気ない妻のことばが老境の吾には類なき妙薬と化す 評 ゴミ出しの朝、特に氷雨降る朝の奥様からの「ありがとう」の一言は、作者の心を和らげるのですね。2首目、奥様の何気ない言葉は妙薬となる……素…
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9月 飛雲集(神奈川・長野) 東納多美子 選
泣けてくる日々 神奈川 三春 佐藤麻起子 涙ぐむ父の介護に疲れ果て「どうしたんだ」と心配する父 だんだんと瘦せていく父悲しくて泣けてくる日々食べてと願う 評 「泣けてくる日々」の心の葛藤が胸に迫ります。作者は優しいがゆえに泣けてくるのですね。無理をしないで、出来ることだけをやって…